ベネッセ・Z会・スタディサプリ:教育サービスのDX収益モデル
🔎 ポイントまとめ
- 主教育DX市場はオンライン中心に急成長中(約3,000億円)
- ベネッセは紙教材からの脱却に苦戦、Z会とスタサプはデジタル先行
- スタディサプリはBtoBで収益拡大、Z会は高単価・高収益体制
- 今後は生成AIとパーソナライズ学習が競争軸に
はじめに
少子化が進む日本において、教育市場は「量」から「質」へと軸足を移しつつあります。特に、ベネッセ、Z会、スタディサプリ(リクルート)といった大手プレイヤーは、オンラインへのシフトとデジタル活用を急速に進めています。この記事では、各社の収益構造の違いに注目しながら、教育サービスにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の本質を読み解きます。
教育市場全体の動向と各社のポジション
文部科学省と矢野経済研究所のデータによれば、日本の学習塾・通信教育市場は約9,300億円(2022年)と横ばい傾向にあります。一方で、オンライン学習市場は2019年から2022年の間に約2倍に拡大し、2022年には約3,000億円規模に成長しました。
| 企業名 | 主力サービス | 売上高(2023年) | オンライン化率の印象 |
|---|---|---|---|
| ベネッセ | 進研ゼミ、こどもちゃれんじ | 約3,610億円(※1) | 中程度(紙と併用) |
| Z会 | 通信教育、映像授業 | 約305億円(※2) | 高い(デジタルシフト積極) |
| スタディサプリ | 小中高向け動画+アプリ | 非開示(リクルート全体で2兆超)(※3) | 非常に高い(モバイル中心) |
収益モデルの違い:誰からどう稼ぐか?
ベネッセ:小学生~高校生向けの通信教育で「月額制」が基本。紙教材が依然主力で、アプリ連動も進む。大半の収益はBtoC個人顧客からの定額課金(月3,000〜6,000円程度)です。
Z会:難関校志向の利用者が多く、単価が高め(中学生以上で月額7,000円〜)。加えて学校向け教材・模試等のBtoB販売も行うハイブリッドモデル。
スタディサプリ:月額980円の低価格が特徴だが、高校向けでは学校導入(BtoB)で数千万円単位の一括契約が増加中。コストパフォーマンスが際立ちます。
利益性とスケーラビリティ
- ベネッセHDの教育事業営業利益率は約7.6%(2023年3月期)(※1)
- Z会を運営する増進会HDは非上場だが、営業利益率10%超の高収益体質との評価(業界推定)
- スタディサプリは明確な利益開示なしだが、1コンテンツ多ユーザー提供によるスケール型モデル
DXの観点でみると、Z会とスタディサプリが「完全デジタル型」モデルに移行しつつあり、**ベネッセは依然として「紙+デジタル併用」**の過渡期にあります。
今後の焦点:AI教材とパーソナライズ
ChatGPTなどの生成AI登場により、各社の教材開発戦略にも変化の兆しがあります。Z会は2024年より「AI講座」の実験提供を開始、スタディサプリも「AI理解度診断」機能を順次強化中です。ベネッセも2025年にAIアシスト型教材の商用化を計画中と報じられています(※4)。
参考・出典
※1:株式会社ベネッセホールディングス「2023年3月期 有価証券報告書」
※2:Z会公式サイト「会社案内・IR資料」(増進会HD、2023年3月期)
※3:リクルートホールディングス「2023年3月期 決算説明資料」
※4:日経クロステック「AI教材、教育業界に広がる可能性」(2024年4月)
🔎 ポイントまとめ
- 主教育DX市場はオンライン中心に急成長中(約3,000億円)
- ベネッセは紙教材からの脱却に苦戦、Z会とスタサプはデジタル先行
- スタディサプリはBtoBで収益拡大、Z会は高単価・高収益体制
- 今後は生成AIとパーソナライズ学習が競争軸に



